土地区画整理法 / Land Readjustment act
土地区画整理事業とは、都市計画区域内の土地において、道路や公園、広場、水路等の公共施設の整備改善に加え、宅地の利用増進を図ることを目的に行われる土地の区画、形質の変更及び公共施設の新設、または変更に関する事業のことです。
なお、土地区画整理事業の施行者は、次の①～⑥があげられます。
①個人施行者
②土地区画整理組合
③土地区画整理会社
④地方公共団体
⑤国土交通大臣
⑥独立行政法人都市再生機構·地方住宅供給公社
（1）建築行為等の制限
土地区画整理事業の認可の公告後、換地処分の公告日までの間に土地の形質変更や建築物の建築等を行おうとする者は、原則として都道府県知事等の許可（国土交通大臣が施行する場合は国土交通大臣の許可）を受けなければなりません。
施行者の許可ではないので注意。
土地区画整理法に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
土地区画整理事業とは、公共施設の整備改善及び宅地の利用の増進を図るため、土地区画整理法で定めるところに従って行われる、都市計画区域内及び都市計画区域外の土地の区画形質の変更に関する事業をいう。
土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日以後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障
（1）仮換地
①仮換地の指定
仮換地の指定は、施行者が施行区域内の宅地について行うものです。
仮換地の指定は、仮換地となるべき土地の所有者及び従前の宅地の所有者に対して、仮換地の位置や地積、効力発生日を通知して行います。
②仮換地指定の効果
従前の宅地について、所有権や賃借権等に基づいて使用収益していた者は、仮換地指定の効力発生日から換地処分の公告日まで、仮換地を使用収益することができます。その反面、従前の宅地については使用収益できなくなってしまいます。
この場合、使用収益権は仮換地に移りますが、従前の宅地の所有者は、従前の宅地に関する処分権は変わらず持ち続けます。よって、従前の宅地の売買や、抵当権の設定等、登記（所有権の移転登記や抵当権の設定登記）も行えます。
仮換地について、所有権や賃借権等に基づいて使用収益していた者は、仮換地指定の効力の発生日から換地処分の公告日までは、その仮換地を使用収益できなくなります。
ただし、仮換地の指定の効力発生日とは別に、仮換地の使用収益の開始日を定められることがあります。例えば、仮換地上の建物を除却しなければならなくなった場合です。この場合は、仮換地の効力発生日ではなく、使用収益の開始日から仮換地を使用収益できるようになります。
（2）換地処分
①換地処分の公告
従前の宅地上の権利を換地に移転させることを換地処分といいます。換地処分は、原則として換地計画にかかる全区域について土地区画整理事業の工事が完了した後、遅滞なく、関係権利者に対して必要事項を通知することにより行われます。その後、国土交通大臣、または都道府県知事により、換地処分の公告が行われます。
②換地処分の効果
換地処分の公告が行われると、その翌日から次のような効果が発生します。
害となるおそれがある建築物その他の工作物の新築を行おうとする者は、都道府県知事及び市町村長の許可を受けなければならない。
③土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、従前の宅地に存する建築物を移転し、又は除却することが必要となったときは、当該建築物を移転し、又は除却することができる。
④土地区画整理事業の施行者は、仮換地を指定した場合において、当該仮換地について使用又は収益を開始することができる日を当該仮換地の効力発生の日と同一の日として定めなければならない。（平成30年 問21）
解答はP．59
験のベージの解否：3
土地区画整理法
土地区面整理法
57
57
土地区画整理法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
仮換地の指定があった日後、土地区画整理事業の施行による施行地区内の土地及び建物の変動に係る登記がされるまでの間は、登記の申請人が確定日付のある書類によりその指定前に登記原因が生じたことを証明した場合を除き、施行地区内の土地及び建物に関しては他の登記をすることができない。
施行者が個人施行者、土地区画整理組合、区画整理会社、市町村、独立行政法人都市再生機構又は地方住宅供給公社であるときは、その換地計画について都道府県知事の認可を受けなければならない。
個人施行者以外の施行者は、換地計画を定めようとする場合においては、その換地計画を2週間公衆の縦覧に供しなければならない。
換地処分の公告があった場合においては、換地計画において定められた換地は、その公告があった日の翌日から従前の宅地とみなされ、換地計画において換地を定めなかった従前の宅地について存する権利は、その公告があった日が終了した時において消滅する。（令和元年 問20）